企業理念を、ゲームにしてみた。——沼津商業高校の高校生が考えた「企業を知る新しい方法」
「企業理念を、ゲームにしたらどうなるんだろう?」
そんな問いから生まれたイベントが、2026年8月9日、放課後等デイサービス「カララ寿町」で開催されました。仕掛けたのは、沼津商業高校の生徒たち。そして舞台になったのは、私たち合同会社アンドエス/放課後等デイサービス カララ寿町です。
この日起こったことを、代表の安藤の視点から書き残しておきたいと思います。
なぜ高校生が「企業を知るイベント」を企画したのか
沼津商業高校の生徒たちは、「ビジネスプラングランプリ」の取り組みとして、ある課題に向き合っています。それは、高卒で就職した人の離職率の高さです。
高校生が3年生になって就職先を選ぶとき、実際に知っている企業や、学校から提示される企業など、比較的限られた選択肢の中から選んでいる現状があります。
- 「高校生に、もっといろいろな企業を知ってもらいたい」
- 「従来とは違う方法で、企業に興味を持ってもらいたい」
そこで彼らが考えたのが、高校生の視点で企業を紹介する取り組みでした。単純な会社説明会ではなく、一つの企業にスポットを当てて、「ゲーム」や「動画」といった新しい切り口で企業を知ってもらう。
その第一弾の対象企業として選んでもらったのが、合同会社アンドエス/カララでした。

企業理念「隣の人を幸せに」を、そのままゲームにした
当日は13時にスタート。司会・リーダーの挨拶のあと、企業紹介として、私から会社の理念について話をしました。
合同会社アンドエス/カララの企業理念は、「隣の人を幸せに」。
この理念を知ってもらったあとに紹介したのが、理念そのものをゲームにしたオリジナルカードゲーム、『おすそわけポーカー 〜隣の人を幸せに〜』です。

ゲームのルール
ベースは、カードの数字や種類を揃えて役を作るポーカー。ただし、普通のポーカーとは大きく違う特徴があります。
- 全員の手札が公開されていること
- 自分がカードを1枚引いたら、自分の手札から1枚を選んで、他の誰かに「おすそわけ」しなければならないこと
- カードを受け取った人は、感謝の印として「サンクストークン」を渡すことつまりこのゲームでは、自分の役を強くするだけでなく、「誰に、どのカードを渡したら喜んでもらえるのか」を考え続けることになります。
「他の人を幸せにしながら、自分も勝つ」ことを目指す。まさに理念を体現する仕組みです。
カードの絵は、カララのお子さんが描いた
このゲームには、ルール以外にももう一つ仕掛けがあります。
カララでは、代表の私自身がオリジナルのゲームを制作していて、今後は子どもたちとも一緒に作っていきたいと考えています。今回のゲームも、その考え方を取り入れました。
トランプのスート(マーク)をそのまま使うのではなく、「人にあげたり、もらったりしたら嬉しいものは何だろう?」という視点から、4つの種類を採用しました。
- 花束
- 手紙
- ケーキ
- おもちゃ(ロボット)
このイラストは、実際にカララを利用しているお子さんに描いてもらいました。ルールだけでなく、カードそのものにも「隣の人を幸せに」という想いを込めています。
当日、何が起こったか
ゲーム大会は2ラウンド制。高校生を中心に、大学生・高専生も加わり、複数の学校から学生が集まってくれました。
ゲーム中は、とにかく盛り上がりました。
特に印象的だったのが「おすそわけ」の場面です。全員の手札が見えているので、「これは本当に自分に必要なカードなのか?」と悩み、おすそわけによって強い役が完成して喜ぶ。最後の得点計算(サンクストークン1枚につきサイコロを振り、4以上なら2点)でも、一喜一憂する歓声と笑いが絶えませんでした。

参加者の感想
「他の人を幸せにしながら、自分も勝たなければならないという、今までやったことのないルールで楽しかった」
企業理念が、本当に伝わった
今回、特に嬉しかったことがあります。
イベント終了後、参加者が「隣の人を幸せに」という企業理念を、自然に、すらすらと言えるようになっていたのです。
最初に説明を聞くだけでなく、ゲームのタイトル、カードの絵、おすそわけの仕組み……約2時間にわたって理念に触れ続けてもらった結果でした。
「企業理念を説明する」のではなく、「企業理念を体験してもらう」。
ゲームだからこそできる、企業の伝え方があるのではないかと感じています。
「放課後等デイサービス」を知らなかった学生もいた
参加者の中には、今回のイベントに参加するまで「放課後等デイサービス」という仕事そのものを知らなかった人もいました。
存在自体を知らなければ、将来の選択肢に入ることもありません。だからこそ、まず「知ってもらう」ことが非常に重要です。
「ゲームをしに来た」「学生同士で交流しに来た」という入口から、結果として企業や福祉の仕事を知ってもらえる。今回の高校生たちの取り組みには、大きな意味があると感じました。
代表として感じたこと
会社の中で職員に理念を伝える機会はあっても、外の人たちに自分たちの想いをしっかり話す機会は、これまでほとんどありませんでした。私自身にとっても、非常に貴重で素敵な機会になりました。
また、学校を越えて学生同士が仲良くなっていく様子を見て、このつながりを1回だけで終わらせるのはもったいないと感じています。
これからやってみたいこと今後は、単発イベントではなく、定期的に学生が集まれる機会を作れたら面白いと考えています。
- いろいろな学校の学生が協力してゲームを作る
- 学校対抗でゲーム制作をする
- 学生同士で新しい企画を立ち上げる
- さまざまな企業を、同じような方法で知っていく
「企業を知るイベント」で終わるのではなく、学生×学生、学生×企業、学校×学校——新しいつながりが生まれる場所を目指していきます。
企画してくれた沼津商業高校のみなさん、集まってくれた学生のみなさん、本当にありがとうございました!