静岡県沼津市にある放課後等デイサービスカララ(kalala)です

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NotionにAIチャットボットを導入してみた話 〜福祉現場での”使いやすさ”を考える〜

## 日常に溶け込むAIを目指して

放課後等デイサービス「カララ」では、日々の業務連絡や支援記録、マニュアルの共有などにNotionを活用しています。スタッフ全員が毎日確認する「日常のツール」として機能しており、情報の一元化と効率化に役立っています。

そんなNotionに、今回AIチャットボットを埋め込んでみました。背景にあったのは、「AIって便利そうだけど、実際に使っている人はあまりいない」という現場のリアルです。AIはどこか”特別なもの”のように思われていて、興味があっても触れる機会が少ない。その状況を変えたくて、「普段から開いているNotionに設置すれば、もっと自然に使えるのでは?」という仮説のもと、実験的に導入してみることにしたのです。

## AIとの出会いを、もっとカジュアルに

導入したのは、Difyというオープンソースの生成AIアプリ開発プラットフォームを使ったチャットボットです。ChatGPTのように、話しかけると回答してくれるシンプルな対話型AIで、質問や雑談、アイデア出しなどに対応してくれます。

ポイントは、「導入場所」でした。あえてNotionのトップページの一番上に埋め込むことで、毎日何気なく目に入る、気が向いたときに”ちょっと触ってみたくなる”ような配置にしました。スタッフが普段使っている環境に自然に溶け込むことで、AIが「業務の邪魔」ではなく「ちょっと役立つ存在」になればいいなという思いを込めています。

## 導入のヒントになった1冊の本

今回の取り組みのきっかけは、『**生成AIアプリ開発大全―Difyの探求と実践活用**』(2024年刊)という本です。Difyの仕組みや設定方法、活用アイデアが丁寧に解説されていて、生成AIに関心のある方にはとてもおすすめの一冊です。

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この本の中に「Webページにチャットボットを埋め込む方法」が紹介されており、それを参考に「Notionにも応用できるのでは?」と思い立ち、実際に試してみました。結果的に、Notionへの埋め込みはとても簡単でした。Notionの「/埋め込み」ブロックを使い、Difyで生成したチャットボットのURLを貼り付けるだけで、スムーズに表示されました。本にはNotionでの具体例はありませんでしたが、ChatGPTに教えてもらいながら埋め込みました。

## 少しずつ広がるAI活用の”輪”

導入後すぐに大きな変化があったわけではありませんが、「Notionに何か新しいのが入ってた」「ちょっと試してみたら、ちゃんと答えてくれた」といった反応がぽつぽつと返ってくるようになりました。

とはいえ、まだ導入したばかりで、今後どうなるかは分かりません。これから時間をかけて、どのように活用されていくのかを見守っていきたいと思います。

今後は、特定の資料やマニュアルを読み込ませた**「カララ専用のAI」**として活用したり、**相談支援のヒントを提案してくれる福祉特化型のAI**として発展させていく可能性も見えています。

## 「使ってもらう」ための導入デザイン

AIのような新しい技術は、「高性能であること」も大切ですが、それ以上に「**日常の中にどう溶け込ませるか**」が重要だと改めて感じました。

特に福祉の現場では、忙しさや多様な業務の中で「新しいツールに慣れる時間がない」「操作が複雑だと続かない」という課題があります。今回のように、**普段見ている場所に、わかりやすく、ちょっと試せる形で置く**という工夫が、小さな成功体験につながっていくのではないでしょうか。

今回の導入はほんの小さな一歩ですが、職員とAIの距離を少しでも縮める「きっかけ」となってくれたら嬉しいです。そして、これからも現場に合った”ちょうどいいAIの使い方”を探っていきたいと思います。