AIと協働する放課後等デイサービス:新しい活動アイディアの創出
放課後等デイサービスの日々の活動においてAI技術を活用し、子どもたちのための新鮮なアイディアを生み出す取り組みについてご紹介します。

ーーー
AIの力で広がる活動の可能性
最近はさまざまな分野でAI技術が活用されるようになり、私たちの身近な仕事や日常生活にも大きな変化が訪れています。その一つが、文章生成AIのChatGPTを使ったアイディア創出です。私の職場では、放課後等デイサービスにおける活動ネタを増やすために、ChatGPTのタスク機能を使って毎朝6時に小ネタを5つずつ出してもらうようにしています。
「創作活動におすすめのネタ」「身体を動かして楽しめる遊び」「コミュニケーションを活性化させるグループワーク」など、様々な角度から提案をもらえるのが魅力です。ただし、AIが出してくれた5つのアイディアをすべて使うわけではありません。一度にたくさん提案されると、職員同士でアイディアが散漫になってしまうこともあります。
ーーー
厳選したアイディアの共有でチーム力アップ
そこで私たちは、その中から「これは面白そう」「今の子どもたちの様子に合っていそう」と思ったものを1つだけ選び、職員が参加しているチャットツールに書き込むようにしています。こうすることで、スタッフ全員が毎日1つのアイディアについて意識を向けることができ、そのまま使うこともあれば、そこから派生して別のアイディアが生まれることもあります。
ーーー
日々の業務とアイディア創出の両立
放課後等デイサービスの活動を考えるうえでは、子どもたちの興味・関心や成長の段階を意識しながら、どんな活動が楽しめるか、どんなスキルを育めるか、という観点が必要になります。しかし、日々の業務に追われているとなかなか新しいネタを考え出す時間が取れず、ついつい「いつものあの活動でいいや」とマンネリ化してしまうことも少なくありません。
AIの力を借りることで、新鮮なアイディアを効率よく集めることができるのは大きなメリットです。AIから出てくるアイディアの中には、自分で調べたり考えたりしただけでは思いつかないようなユニークなものがあります。例えば、何気ない工作のアレンジ方法や、集団遊びをちょっとだけ変化させて新たなルールを追加する方法など、豊富なバリエーションを短時間で生成してくれるのはとても助かります。
ーーー
スタッフ間のコミュニケーション活性化
AIが提案してくれるアイディアをきっかけにスタッフ同士で「子どもたちの反応はどうかな?」「こうしたら盛り上がるかも」という意見交換が活発になるという良さもあります。忙しさにかまけてしまうと、「新しい活動を考える時間をとるのは難しい」と諦めてしまいがちですが、毎日チャットに1つだけアイディアが投稿される仕組みがあると、「それなら少し考えてみよう」という気持ちが自然と芽生えます。
ほんの些細なところからでも、アイディアの芽を大切に育てていく環境づくりができれば、子どもたちにもより多様な経験を提供できるのではないでしょうか。
ーーー
AIの限界と人間の役割
もちろんAIの提案がいつも完璧に当たるわけではなく、活動のねらいや安全面を確認するなど、人間側がしっかり取捨選択する必要はあります。けれども、AIは24時間いつでも、何度でもアイディアを出してくれますし、こちらが「もっと○○な活動を教えて」と細かい要望を出せば、より的確なネタを生成してくれるようになります。
つまり、使い方次第では、AIは私たちの強力なアシスタントになってくれるのです。
ーーー
変化を楽しむ職場文化へ
この取り組みを始めてから、「今日はどんなアイディアが出てくるのかな?」と毎朝楽しみになりましたし、職員の中にも「昨日のアイディアにヒントをもらって、こんな活動を考えてみた」という声が増えてきました。子どもたちにも「今日はこんな新しい遊びがあるよ」と紹介すると、「おもしろそう!」「やってみたい!」という反応が返ってきて、さらにこちらもやる気が高まります。
ーーー
AIとの協働がもたらす効率と創造性
活動ネタを増やすための方法は人それぞれですが、AIを導入することで得られるメリットは大きいと感じています。調べ物や思考プロセスをショートカットできるだけでなく、これまでになかった角度からのアイディアをもたらしてくれるのは、やはり大きな魅力です。
悩んでいる時間を短縮し、浮いたエネルギーを実際の準備や子どもたちとの関わりに注ぐことで、放課後等デイサービス全体の質の向上にもつながるはずです。
ーーー
最後に
これからも日々、AIと協力しながら新たな活動ネタを探究していきたいと思っています。もちろん、最終的には「子どもたちが楽しめるかどうか」「どんな成長の機会を提供できるか」という視点で活動を選択していくことが大切です。
それでも、「ちょっと考えが煮詰まっているな」と感じたら、ぜひ一度AIを相棒にしてみるといいでしょう。思わぬアイディアが飛び出して、思わず笑顔になれるような活動につながるかもしれませんね。